会長挨拶
う蝕学分野同門会 会長 野杁由一郎
 同門会会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。本年2月に行われました同門会総会・懇親会および私の教授就任記念講演では、一方ならぬご協力とご厚情を賜り、心から感謝いたしますとともに、この機会を利用して御礼申し上げます。
早いもので、昨年4月1日に着任後もう1年が経過しようとしています。私にとっては、20年ぶりに大きく環境が変化し、風土・気候に体を慣らすのみの1年であったように思います。その理由(わけ)は、二十歳で生まれて初めて大阪を離れ、徳島にわたった際の経験の影響であると思っています。大学1年の時に3度の大きなアクシデントに見舞われました。・歩行困難になるほどの腰痛、・外傷による人生初の救急車搬送、・ムンプス(お多福かぜ)による2週間の休学、と“水が合わない”という言葉で済まされるようなものではありませんでした。しかしながら、どれもじっくりと懐古しますと“若気の至り”で終わってしまう、いい経験でした。5年前の大病も克服し、いま健康体(五体満足で)で教鞭をふるえ、診療できるのは、全てその布石であったようにも思えます。
 この1年の、最大の収穫は、素直で働き者で有能な良きスタッフ達と巡り当てたことでしょうか。他の地方大学に同時期に教授に就任された先生たちが、人手不足と採用難で苦しまれている中、決して多くはありませんが15名もの良きスタッフに恵まれたことは、先生方個人の資質のみならず、細田先生、岩久先生、興地先生と歴代の名誉会長が主催された際に本教室に在籍された本同門会OBの先生方が引き継いで来られた尊い財産(賜物)と信じております。来年度4月には、大学院生、レジデント各1名と研修医3名の計5名の新入教室員を迎えることになっております。
 若手の先生方の無限の可能性を自由に発揮できる教室環境を保ちつつ、教室・診療科の活性化を図り、若い先生方を鍛え上げて、懇親会の挨拶時に公言致しました、自前の会長の創出という大きな目標に向かって邁進しようと考えています。
同門の皆様にはご迷惑をお掛けすることもあろうかと存じますが、温かいご支援とご鞭撻を引き続きお願い申し上げます。